Columns list アスボのコラム一覧

加糖飲料で毎年18万人が死亡

缶コーヒーやコーラ、ジュースなど、砂糖を含む甘い飲み物によって肥満者が増加しました。
その結果、心臓病や糖尿病の患者も増えたと言われています。しかし、本当に加糖飲料が原因で
死亡率が増加したのか、具体的に数値で把握することはかなり難しそうです。

加糖飲料で毎年18万人が死亡

  • 飲み過ぎると危険な加糖飲料

    その困難な課題に対して全世界を網羅した調査で挑戦した研究成果がまとめられ、
    米国心臓学会の学会誌「サーキュレーション」に掲載されました。それによると、
    世界で年間18万人を越える人々が、加糖飲料の飲み過ぎが原因と見られる病気で
    亡くなっているというのです。

    加糖飲料を飲み過ぎると、次のようなことが起こります。

    1.カロリーの摂り過ぎで体脂肪がたまり肥満になる
    2.血糖値が急に上がり、体内でそれを分解するインスリンが繰り返し分泌される
    3.その結果、次第にインスリンが出にくくなったり効きづらくなったりする

    また、高血糖状態が続くことは遺伝子の損傷にも繋がります。すると、糖尿病や心筋梗塞、
    がんなどによる死亡が増加するのです。

    この研究では、世界51か国における1980年から2010年まで30年間の国民栄養調査のデータを
    用いています。各国における加糖飲料の消費量と国民の肥満度の分布、糖尿病・循環器疾患・がんに
    かかる人の割合と死亡率を調査。その関連性を、国別・性別・年代別に詳しく分析しました。
    加糖飲料として研究対象になったのは、炭酸飲料やスポーツドリンク、栄養ドリンク、
    果汁入りドリンクなど。1回に飲む標準的な量(約240ml)あたり、50kcal以上のものです。
    尚、果汁100%ジュースは除外されました。

  • 世界的に加糖飲料の消費量が増えている?

    分析の結果、加糖飲料の消費量と死亡率の関係は、国によって大きな開きがありました。
    例えば国の豊かさで分けると、砂糖入り飲料が原因とみられる死亡の分布は貧しい国で5%。
    対して、中所得国は71%、高所得国は24%だったのです。
    もっとも関連が強かったのはメキシコで、100万人あたり405人、死亡者の12%が加糖飲料による
    関連死と推計されました。全世界の平均に比べると中南米・カリブ海地域の諸国が突出して高く、
    その死因の大半が糖尿病。これらの国々では、砂糖を使った冷たいフルーツジュースを家庭で
    作って飲む習慣があり、それが強く影響していると思われます。

    一方、アジア諸国では加糖飲料と死亡率の関連が低く、例えば日本人の65歳以上の世代では、
    加糖飲料による関連死とされたのは1%以下でした。これには、お茶を飲む国民性が
    関係しているのかもしれません。しかし安心はできません。どの国にも共通の傾向として、
    若い世代ほど市販の加糖飲料の消費量が多くなってきているからです。

    研究グループはこの論文の最後で「加糖飲料による死亡は、防ぐことのできる死である」とし、
    全世界レベルでの取組みが必要であると提言しています。

  • ◆ライター◆

    株式会社 ガリレオ

    <出典>
    Estimated Global, Regional, and National Disease Burdens Related to Sugar-Sweetened Beverage Consumption in 2010, Circulation. 2015;132:639-666,
    https://circ.ahajournals.org/content/early/2015/06/25/CIRCULATIONAHA.114.010636.full.pdf