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低炭水化物による意外な効果

一大ブームとなった「低炭水化物ダイエット」。ご飯やパンなどの炭水化物を減らすことで、痩せやすくなると
言われている。ならば、カロリーが炭水化物の倍以上ある脂質を減らせばもっと痩せるように思えるが、
そうではないらしい。そのカラクリを解説しよう。

私たちの身体が正常な状態で食べ物を取り込むと、

・膵臓からインスリンが分泌される
・その作用により細胞が糖を取り込む

という2段階の働きが起きる。

これらの働きが障害されると、慢性の高血糖状態となり、肥満や糖尿病を招いてしまう。
予防のためには、食事を見直すことが大切だ。

低炭水化物による意外な効果

  • <食事療法の効果>

    エネルギーとなる3大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)。その制限を設けている食事療法の効果は、
    以下の通りとなっている。

    「脂質・タンパク質摂取制限」
     肝臓や脂肪組織に働きかけてインスリン抵抗性を改善。インスリン抵抗性とは、ブドウ糖を取り込む
     働きを持つホルモン(=インスリン)が、分泌されているのに効きにくい状態である。そのため細胞が
     糖を取り込みづらく、糖を取り込むのに大量のインスリンが必要となる。

    「炭水化物摂取制限」
     脂肪組織に働きかけてインスリン抵抗性を改善し、さらに腸に働きかけて急激な糖吸収を抑制。
     これによってインスリン必要量を低下させることから、インスリン分泌能を改善させることができる。
     つまり、インスリン分泌が障害されて細胞が糖を取り込めない状態を改善してくれる。

    低炭水化物ダイエットはインスリンの働きだけでなく、その分泌も改善してくれる。
    そのため、脂質・タンパク質制限食を上回る効果が見られるようだ。さらにアメリカで1年かけて
    行われた「低炭水化物食」と「低脂肪食」摂取者の比較では、低炭水化物食に軍配が上がった。
    体重・体脂肪・中性脂肪・CRP値の低下、HDLコレステロールの上昇など、生活習慣病のリスクを
    下げる因子で改善結果を示したのだ。

  • <低炭水化物ダイエットの誤解>

    低炭水化物ダイエットのことを、「炭水化物抜き」と勘違いしている人は多いのではないだろうか。
    炭水化物の中でも、糖質は身体の重要なエネルギー源だ。適正な摂取エネルギー配分は食事の50~60%。
    炭水化物抜きなどの極端な糖質制限食を続けると、長期的には腎症や動脈硬化の進行が懸念される。
    バランスよい摂取を心がけてほしい。

  • <血糖を低下させるハーブもある>

    伝統的な天然甘味料を用いて、糖質を抑えることもできる。例えばステビアは、熱帯湿潤気候地域に
    生息するハーブだ。膵臓からのインスリン放出を促し、全身のインスリン感受性を増大させる。
    すると肝臓でグルコース産生速度を遅らせ、血糖値を低下させてくれるのだ。パウダー状のものを
    砂糖代わりに使用すれば、カロリーゼロの甘味料となる。ただしその効き目ゆえ、血糖降下薬との
    併用には注意しよう。

  • ◆ライター◆

    桜川とも

    2002年よりアロマセラピストとしての活動をスタート。
    痩身エステティシャン、ホテルスパマネージャーの後、商業施設内アロマ体験ショップ・介護アロマセミナー&レク等の企画・実施を経て、現在、生活の木ハーバルライフカレッジ講師、エステ運営コンサルタントとして活躍中。
    ・ブログ http://ameblo.jp/healing-wood

    <参考>
    農水省「正しいダイエットとは?」
    [online] http://www.maff.go.jp/j/fs/diet/health.html
    医療情報科学研究所編(2015)『病気がみえる3糖尿病・代謝・内分泌』株式会社メディックメディア.
    レベッカ・ジョンソンほか著(2014)『メディカルハーブ辞典』日経ナショナルジオグラフィック社.