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若いほど危険! 遺伝子次第で痛風リスク20倍!

人間の設計図であるDNAはたった4種類の「塩基」と呼ばれる化合物の配列でできている。
DNAは塩基であるA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)それぞれが
ハシゴのように結合し、さらにらせん状にねじれ、折りたたまれて細胞の核内に収まっている。

ヒトのDNAは約30億個の塩基の配列からなるが、すべての人間が同じ配列ではなく、
およそ1000個に1個の割合で、異なる配列が存在している。
この違いが個人の、あるいは個体としての差異を生じさせ、多様性(多型)を
もたらしているものと考えられる。

若いほど危険! 遺伝子次第で痛風リスク20倍!

  • 尿酸の排出に関わる「ABCG12」の配列

    遺伝子の多型は、特定の病気にかかる確率や薬の効き目などにも個人差をもたらしているが、
    「風が吹いても痛い」痛風も、この塩基配列の組み合わせによって発症の確率が大きく変わる。
    近年の研究により、遺伝子の多型タイプから痛風の発症リスクを予見することが可能になってきた。

    核酸に含まれるプリン体が代謝を受けると、代謝産物である尿酸が産生される。尿酸は人間にとって
    非常に重要な抗酸化物質であり、長寿とも関連しているため、その大半は体内で作られている。
    産生された尿酸は血流にのってひとしきり体内をめぐると腎臓から尿中へ、あるいは腸管で分解されて
    排泄される。

    このとき尿酸を運び出す役割を担っているのが、尿酸トランスポーターの「ABCG2」だ。しかし、
    ABCG2の塩基配列に違いが生じるとABCG2の働きが悪くなり、尿酸をうまく運び出せなくなる。
    この機能低下をもたらす塩基の組み合わせ次第では、正常なABCG2を持つ人に比べて20倍以上も
    痛風になりやすくなる。

    しかも、この遺伝的要素による痛風発症のリスクは、年齢が若いほど高くなる。痛風をひき起こす
    危険度の割合を数値化すると、大酒飲みは15.4%、肥満では18.7%だが、ABCG2の多型タイプは
    29.2%となる。50歳代以降では遺伝子の多型によるリスク差は少なくなるが、20歳代では最大22.2倍も
    痛風リスクが高くなる。

  • 痛風になりにくい女性も食生活に気をつけよう

    女性は女性ホルモンの作用で尿酸が体内にたまりにくく、痛風になりにくい。だが、遺伝子は
    父母の双方から受け継ぐものだ。父親が痛風でなくとも安心はできない。痛風が心配な人は、
    病院で遺伝子多型の検査を受けてみるといいだろう。

    しかし、検査の結果がどうであれ遺伝子を変えることはできない。痛風にならないようにするためには、
    食生活を中心に生活習慣を改める以外にはない。

  • ◆ライター◆

    朝倉哲也

    日本臨床栄養協会認定サプリメントアドバイザー。
    「名医がすすめる最良のサプリメント10種」エクスナレッジのほか、同文書院「サプリメント・健康食品の効き目と安全性」、「サプリメント・健康食品の効き目事典」などを執筆。
    小学館「サプリメント健康バイブル2008」制作スタッフ。
    雑誌、Webコンテンツなどでも活躍するサプリメント・健康食品のスペシャリスト。
    ブログ:アンチエイジングのトビラ
    著書:名医がすすめる最良のサプリメント10種

    <出典>https://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2014/04/articles/1404-03-2/1404-03-2_article.html
    http://dot.asahi.com/wa/2015091700096.html?page=2
    http://www.bml.co.jp/moreinfo/info02
    http://www.h.u-tokyo.ac.jp/vcms_lf/r20091105084732.pdf