【管理栄養士が教える】ヘルシーな外食弁当の落とし穴
今回は「ヘルシーを謳う外食弁当には落とし穴がある」というお話。
外食弁当で気を付けたいのが、塩分の摂り過ぎ。
コンビニなどで販売されている外食弁当は、塩分相当量ではなくナトリウム表記のみに
なっていることがあります。
実はこれが落とし穴。ナトリウム量と食塩量と同じではないのです。
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- ナトリウム表記の裏に隠されている食塩相当量
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ナトリウム量に2.5倍乗じてください。それが食塩相当量です。
詳しい計算方法は
・ナトリウム含量(g)×2.54=食塩相当量(g)
ナトリウムが「mg」で表示されている場合は、
・ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)となります。なお、この食塩相当量は食塩量を考えてもほぼ問題ありません。
例えば「Na 2.4g」と書いてある場合、食塩相当量は6.1gになります。
塩分に計算すると2.5倍増えますので気を付けましょう。ではいったい、1食の塩分6.1gがどの程度なのか。その目安として、
・高血圧など減塩を指導されている人の塩分量は1食2gが目安
・一般の平均摂取塩分量は1食3〜4gが目安となります。つまり塩分6.1gは、普段お家で召し上がるお食事の2倍を越える塩分摂取量になるのです。
今回気を付けて欲しいのは、「野菜たっぷり」などと書かれているヘルシー感のあるお弁当。
実は、野菜の炒め物には塩分がたっぷり含まれています。某社のお弁当に書かれているナトリウム表記を
塩分量に換算すると...・野菜たっぷりビビンバ:塩分8.5g
・野菜炒め弁当:塩分4.1g野菜たっぷりヘルシー弁当にお寿司が入っていると、塩分が4.9gというものもあるので
気を付けましょう。
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- 外食でも気をつけよう
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また外食でよく食べられているメニューに、次のようなものが挙げられます。
1)チャーハン
2)ハンバーガー&ポテト
3)にぎり寿司
4)天ぷらそば
5)ラーメン
6)焼肉定食
7)八宝菜この中で野菜のたっぷり入った八宝菜はラーメンの塩分量を上回ります。このことを知っている人は
非常に少なく、メニューの塩分イメージと実際の塩分量に、大きな開きがあることが「塩分摂取に
関する意識調査」薬品会社による40歳以上の男女対象で明らかになりました。
もちろん、全ての野菜炒めがダメとは言いません。
持ち帰り弁当最大手の「ほっともっと」は、2015年4月1日からお弁当全メニューを減塩にすると
発表しました。また、オリジン弁当の「1日に必要な野菜の半分使用 6品目の塩野菜炒め弁当」の
塩分量は2.2g、同系列である東秀の「八宝菜」の塩分量は4.2g、さらに吉野家の「ベジ丼」は
塩分量が2.9gと、イメージより塩分量が少ない場合もあります。表記をきちんと確認する。
これが大事なこと。塩分を気にする人がコンビニ弁当を購入する場合、きちんと表記を確認し、
ナトリウムから食塩相当量を計算できるように自衛しましょう。
表記を確認するクセがつくと、麻婆豆腐などの麻婆系や坦々麺などの坦々系は、辛さに紛れて塩分量が
10g近いものがあることに気付きます。「塩分たっぷり=しょっぱい味付け」
とは限りません。塩分は、あなたの知っているイメージと違う形で潜んでいるかもしれません。
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- ◆ライター◆
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森田 千雅子
在宅訪問管理栄養士。
在宅クリニックの訪問栄養士として東京都在住の在宅患者への栄養指導している。
ケアマネージャーの経験を活かした訪問栄養士として、各セミナーの講師や、
食や介護に関する様々な悩みの相談を受けている。<参考>
2009年4月27日 ノバルティス ファーマ株式会社
【40歳以上の男女対象、「塩分摂取に関する意識調査」
http://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090427_02.html