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健康によい脂肪の選び方

脂肪は敬遠されがちなため、「からだに脂肪がつきにくい」といった食品が支持されている。だが、脂肪にも
存在意義がある。エネルギーを産生し、糖質代謝に不可欠なビタミンB1の消費を節約。そして、インスリンの
無駄な分泌を制御してくれるのだ。
また、脂溶性ビタミンの効率的な吸収を行い、満腹感を持続させる働きもある。

健康によい脂肪の選び方

  • 大切なのは脂肪量とその質

    脂肪には中性脂肪やリン脂質、脂肪酸、コレステロールなど、さまざまな種類がある。
    嫌われがちなコレステロールは、身体の細胞膜、ステロイドホルモン類、胆汁酸の素材として
    欠かせない。さらに、脳出血を予防する重要な働きもある。
    しかしコレステロールには、LDL(悪玉)とHDH(善玉)がある。これらの血中バランスが
    崩れてしまうと、血液中の脂質が異常に高い「脂質異常症」となってしまう。
    初期には自覚症状がないが、進行すると心筋梗塞や脳梗塞など、動脈硬化に基づく血流障害が
    起きる恐れがあるのだ。体内のコレステロールが体外から取り入れられるのは2~3割。
    それ以外は体内で合成され、量が調整されている。

    ただし、脂肪そのものが悪いのではない。問題はその質と量だ。脂肪は脂肪酸とグリセリンの
    化合物だが、この「脂肪酸」の種類によって脂肪の性質が異なる。

  • 脂肪酸の種類

    脂肪酸には、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」がある。不飽和脂肪酸は組成によって、
    「一価」と「多価」に分類される。さらに多価不飽和脂肪酸は、「n-3系」と「n-6系」に分けられる。

    「飽和脂肪酸」は、肉や乳製品などの動物性脂肪に多い。体内で固まりやすく、生活習慣病の
    原因になる。
    一方で「不飽和脂肪酸」は、脂質異常症をはじめ生活習慣病を予防する効果が注目されている。
    これに対して「一価不飽和脂肪酸」は植物性脂肪に多く、オリーブオイルに含まれるオレイン酸が
    有名だ。
    そして「多価不飽和脂肪酸」は、人間に不可欠な体内で合成できない「必須脂肪酸」を含む。
    動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、悪玉コレステロールを減らすなどさまざまな作用を持つ。

    「n-3系」にはα-リノレン酸やDHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)がある。
    エゴマ油や亜麻仁油、青魚などに含まれ、不足すると皮膚炎を起こす。「n-6系」にはリノール酸や
    アラキドン酸があり、大豆油やコーン油、サフラワー油などに含まれる。

  • 望ましい摂取量と比率

    脂肪は生活習慣病との関連から、以下のように望ましい摂取量と比率が提唱されている。

    ・摂取量=総エネルギー量の25%(1日2,000kcalの場合、脂質は55g)
    ・動物性:植物性:魚=4:5:1
    ・多価不飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:飽和脂肪酸=3:4:3
    ・多価不飽和脂肪酸/飽和脂肪酸比=1~2
    ・n-6/n-3比=4程度

    脂質55gの場合、加工品などには見えない油が存在するため、バターや調理油などの見える油は
    15g程度が適量となる。
    また、ランチが肉料理に偏りがちな人は、家で魚や大豆製品を選ぶといったことを意識するとよい。

  • ◆ライター◆

    桜川とも

    2002年よりアロマセラピストとしての活動をスタート。
    痩身エステティシャン、ホテルスパマネージャーの後、商業施設内アロマ体験ショップ・
    介護アロマセミナー&レク等の企画・実施を経て、現在、生活の木ハーバルライフカレッジ講師、
    エステ運営コンサルタントとして活躍中。

    ・ブログ:http://ameblo.jp/healing-wood/

    <参考>
    一般社団法人日本生活習慣病予防協会「脂質異常症(高脂血症)
    [online]http://www.seikatsusyukanbyo.com/guide/11.php
    津田とみ著(2013)『よくわかる専門基礎講座 栄養学』金原出版株式会社.
    山田豊文著(2011)『植物油の事典』毎日コミュニケーションズ