Special Issue 治験の特集

骨粗しょう症

風刺画や漫画で、高齢者の象徴として猫背な人を描くことが多くあります。
実際に猫背な高齢者は多いと感じられるかもしれません。
しかし、猫背なのは日頃の姿勢が悪いことが原因だと思っていませんか?
実は猫背の原因が骨粗しょう症の場合もあるのです。
骨が体重を支えられないぐらいもろくなり、猫背になってしまっている方もいらっしゃるのです。

骨粗しょう症

  • 骨粗しょう症とは

    骨粗しょう症とは骨の病気です。骨強度が低下し、骨折しやすくなってしまうのです。
    実際に骨粗しょう症患者の骨を見ると、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、
    骨がもろくなっています。加えて、骨質も低下しているケースが多くあります。骨質は骨の強度です。
    同じ密度であっても、材質が弱ければ、弱い骨になってしまいます。
    骨密度と骨質の低下によって骨強度が低下した状態が骨粗しょう症なのです。

    骨がもろくなる原因として一番大きいのは加齢だとされています。
    人間の骨は18歳ごろをピークに達し、40歳代前後から骨強度は自然に低下していきます。
    これにはいくつか原因が考えられます。加齢によって消化吸収能力が低下し、カルシウムの吸収量が
    減少することもその一つです。加えて、女性ホルモンの影響も大きいと考えられています。
    女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。
    閉経後、エストロゲンの分泌量が減少することによって骨からカルシウムの溶け出す量が
    多くなってしまうと考えられています。
    骨粗しょう症が男性より女性に見られるのはこのことが一因かもしれません。

    骨粗しょう症の原因として、加齢以外にもダイエットや生活習慣病もあります。
    生命維持活動にはカルシウムが必要です。しかし、過度な食事制限によって食事から吸収できない場合、
    体は骨を溶かしてカルシウムを体内に供給します。これが骨強度の低下を招きます。
    食生活は健康のかなめです。カロリーを抑えたとしても、十分な栄養はとれるように心がけましょう。

  • 猫背の原因と治療方法

    猫背な状態を「腰がまがっている」状態と表現します。しかし、実際には腰が曲がっているのではなく、
    骨の圧迫骨折が原因になっているケースが多いのです。圧迫骨折というのは体の重みによって骨が
    つぶれてしまっている状態です。しかし、通常の骨折と違い、大きな痛みは伴いません。
    そのため身長の低下、背中の丸み、腰痛といった症状を通じて自覚する人が多いです。

    圧迫骨折、そして骨粗しょう症を防ぐためには大きく3つのアプローチ方法があります。
    1つは骨強度向上の材料となる栄養素の吸収を高めることです。骨の材料となるカルシウム、
    その吸収をたすけるビタミンDを一緒に吸収することがオススメです。
    2つ目は骨の形成を促進することです。材料があっても、骨の形成が活発にならなければ骨強度は
    復活しません。
    3つ目は骨の吸収を抑えることです。骨も新陳代謝を起こします。その際失われる骨を減らすことで、
    骨の強度を守ることができます。
    2つ目、3つ目のアプローチは服薬をはじめ、運動を通じて適度に負荷をかけることで
    促進させることができます。

  • 骨粗しょう症を防ぐことで寝たきり防止に

    高齢者のQOL維持には、寝たきりにならないことが一つ重要な要素としてあります。寝たきりになると
    行動範囲が著しく限定され、やりたいことが出来なくなってしまうからです。
    そして、寝たきりになる理由の一つとして骨折があります。特に腰や足の骨の骨折は寝たきり状態を
    招きやすいのが現状です。
    骨折を防ぐためには、転倒しにくい体をつくることが有効とされています。バランス能力を養うこと、
    足腰の筋力を維持すること、そして骨や関節の状態を維持することが重要なのです。

    骨粗しょう症を防ぐことができれば、正しい姿勢を保ち、転びにくくなります。
    また、仮に転んだとしても骨折を免れることができます。骨粗しょう症を予防・治療することは、
    寝たきり防止、ひいては健康寿命拡大に大きく寄与するのです。
    元気な姿で一生を過ごせるように、しっかりと予防・治療をしていきましょう。